2012年5月、東京でTICAのシンガプーラのブリードコミッティであるCatherine Bourreauさんをお招きして、東京キャットクラブ主催で、シンガプーラのブリードセミナーが開催されました。そこでPK-Defというアビシニアン、ソマリの猫種にみられる遺伝子疾患が、ベンガル、そしてシンガプーラにもあるというお話を聞きました。数年前に明らかになったようですが、海外のシンガプーラのキャッテリーではその遺伝子検査が常識になっていて、キャッテリーのホームページでは猫の名前のうしろに検査結果の記載がされていることが多くなっています。そのブリードセミナーをきっかけに、日本のシンガプーラにおいてのPK-Defを持つ子がどれくらいいるのか?調べてみる必要性に駆られ、当キャッテリーのシンガプーラ全頭と、お知り合いのブリーダー様方にお声かけして、合計27頭のシンガプーラの検査を実施しました。その結果日本のシンガプーラにもPK-Defを持つ子が存在し、今後のブリーディングについて考えていかなければならないと思いました。
さて、PK-Def、ピルビン酸キナーゼ欠損症とは、どんなものなのか?ピルビン酸キナーゼとは、赤血球細胞のエネルギー代謝において重要な酵素で、欠損がおこるとエネルギーの産出が妨げられ、赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こします。主な症状として軽い貧血を断続的に伴い、倦怠感、食欲不振などですが、命を脅かすほどの重症化することはごくまれと説明されています。PK-Defは常染色体性劣性遺伝で両親から遺伝して継承されます。遺伝子検査をしない限り、その遺伝子疾患を持っているかどうかは分かりません。 両親の検査結果が明確であれば、交配の組み合わせにより、子の遺伝子のパターンは予測できます。
※常染色体劣性遺伝とは
K/K 1対の遺伝子両方に異常がある場合。PK-Defであるので、すでに発症しているか将来発症する可能性が高い。 (Affected)
N/K 一方の遺伝子のみに異常がある場合。キャリア(保有者)ですが、猫は正常である。 (Carrier)
N/N どちらの遺伝子にも異常がない場合。PK-Defの可能性はなく、猫は正常である。 (Normal)
PK-Defの遺伝子検査は、日本では行われていません。当キャッテリーの猫の検査は、アメリカのカリフォルニアにあるUCDavisという研究所へ依頼しました。UCDavisのホームページからアカウントを作成して、検査の注文が可能です。検査の費用はUSドルで、40ドルです。クレジットカードでのオンライン決済が可能です。2~3週間で検査キットがUS郵便で送られてきます。検査は猫の口内の粘膜組織を、検査ブラシで採取して、返送用紙に添付し送付するという形です。アメリカまでの送料は自己負担となります。郵便局のEMSで送るとアメリカまで1,200円です。イギリスのラングフォード獣医サービスでも同じ検査ができますが、ヨーロッパ以外からの送付には輸入許可など手続きを要し、ややこしいみたいなので、日本からはUCDavisのほうが良いかと思います。下記に、それぞれのホームページをリンクしてあります。PK-Defのことが説明されています。すべて英文ですので翻訳などでご覧ください。当キャッテリーでもPK-Defに関するご質問を受け付けております。どうぞお気軽にお問合せ下さい。
● 検査のオーダーから検査キットが届くまで(1週間~10日)
● 検査キットの返送、EMSの場合(約3~6日)
● 到着後検査結果が出るまで(1週間~10日) ※合計1ヶ月ほど所要します
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